カッピングとは何でしょう。
カッピングとは、吸い玉療法とも呼ばれ、真空状態にしたガラス製・プラスチック製のカップを、皮膚に吸着させて行う治療法です。カッピング療法は長い歴史をもち、その安全性と手軽さにより世界中の人々に活用されています。
カッピングの歴史
カッピング療法の正確な起源については明らかではありませんが、人類がかなり昔から「吸引」治療法を使用していたことは事実です。また、その範囲もアジアからヨーロッパに至るまで世界中に広がっていました。古代の人々は、動物の骨や角の穴、竹、木の実、貝殻等を使用し、人体の傷や膿、皮膚障害などの治療に利用していたことが分かっています。また、古代祈祷師はカッピングを使い、悪霊を体内から吸い出し体液のバランスを整えることにも利用していたようです。ガラスが発明される以前は、土器や陶器、鉄製のカップが使われていました。
エジプトでは、3500年以上前にカッピングが行われていたことが象形文字として残っています。中国での最初のカッピング療法の記録は、著名な道教の錬金術師で薬草学者でもあった葛洪(かつこう;281-341A.D.)が施術したものとされています。古代ギリシャでは、ヒポクラテスが様々な病にカッピングの使用を勧めたとあり、19世紀前半のイギリスの医師であったアーサー・キースは、カッピング療法の高い有効性を書き残しています。現在でも、カッピング療法は、ヨーロッパ全土にわたり多くの医療機関で施術されています。
中国では、幅広い調査と研究が行われた結果、カッピングは中国政府関連の医療施設において伝統的中医学の代表的な施術療法であると認定されています。
以上のことからも分かるように、カッピング療法の根本的な有効性は何千年も前から認められており、その使用範囲は年々広まってきています。
カッピング療法の効用例
*デトックス効果
*滞った老廃物や血液の流れを良くする
*炎症を和らげる
*自律神経を正常に整える
*筋肉と筋膜のストレッチ効果
*癒着をゆるめる
*血行促進し肌の調子を整える、、、等々
カッピング療法の効果が期待できる症状
*喘息
*不眠および精神不安
*関節や筋の腫れ・炎症
*大腸疾患
*冷えやむくみ
*腰痛(筋・筋膜性腰痛)
*線維筋痛症、、、その他
カッピングをする部位
通常のカッピングは背中に行います。症状によっては、胃または、手足に使用する場合もあります。
カッピングの後におこる色素反応の跡
カッピングの唯一の副作用としてあげられるのは、施術後にカップの吸引跡が残ることです。これらの跡は、「アザ」ではありません。体を強くぶつけたり、外部からの衝撃等で打撲を負うと皮膚や皮下組織が損傷します。この時に、皮膚表面が切れずに出血だけおこるのが内出血です。内出血した部分が変色して見えるのが、アザです。カッピングの施術によって皮下組織が損傷することはありません。
カップを肌に吸着させ真空に近い状態にすることで、皮膚が引っ張られ、体内(特に皮膚の表面付近の毛細血管内)に滞っていたドロドロとした血(東洋医学のお血)が皮膚表面まで引き上げられます。この時、皮膚に色素反応が出て、それが丸い跡となることがあります。体内の鬱血が悪い状態の時ほど、濃い色素反応となります。また、その部位に関連する内臓が弱っている時も、色素反応は濃くなります。
この跡は、3~7日ほどで消えていきます。また回を重ねるごとに、お血状態が緩和され色素反応は薄くなります。これはカッピングの効果により鬱血やお血が浄化され、血液の流れがよくなり根本から良い状態になっているためです。カッピングの効果はかなり深部まで及ぶため、深部の鬱血やお血を皮下まで吸い上げることで血管に新たな通りができ、きれいな血液にすることができます。
カッピングの施術後
人により、カッピング後の反応や感じ方は様々ですが、眠気、リラックス、身体の緊張の緩みなどが一般的です。